ちょっと考えた

商売  No.11
ジョントン、ホーッといったチェンマイの織物地帯が危機を迎えようとしています。
この地域は手織り、手紡ぎ、草木染めの綿織物産地でした。
今では、手紡ぎの糸はほとんどがビルマからの輸入、綿花から糸を紡げる人はほんの一握りのお年寄りだけ。
藍染めもほとんどが合成藍、渋染め、泥染め、灰染め、その他、草木染めも科学染料に押され、年々少なくなっていきます。
それに加え、ここ数年、ここの生地や、生地で作られた服が、大量に日本に輸出され、この本当に狭い地域で織られた生地のほとんどが日本向けとなってしまいました。
今はまだいいんです。
しかし、多くのバイヤーが「もうジョントンの生地は出回りすぎて面白くない。」「もうこの生地も終わりかな。」と言っているのが聞こえてきます。
彼たちはさっと手を引きます。そして手を引くときは大量の在庫処分をします。
それがどういう結果を生んでもかまいません。デリバティブ取引をしているギャンブラーのように、インド綿のブームを作り、そして終わらせたように、ナタデココのブームが現地の業者に多大の被害を与えたように。
草刈商売です。
そこにある草を刈って、荒野に成ったら草の種をまくことも無く、次の草刈場を探し移っていきます。
そしてこれはビジネスなんだそうです。
市場経済である以上、仕方の無いこと、いや、当たり前のことなんだそうです。
学校のクラスで、一人の生徒がリンチにあったとしましょう。
リンチを加えた側のいいわけです。
「こいつ、気に入らないから、みんなで多数決をとってリンチにするって決めたんだ。民主主義の国だから当然じゃないか。」
今のビジネスとリンチのいいわけの根底はまったくいっしょです。
何のための商売、何のための民主主義、何のための利益なのでしょう。
「あの国も、あの島も、昔はよかった。しかし今はもう終わりだな。人間もこすっからくなってきて、気持ちが和まないよ。あそこももうだめだね。」
と言う声をどこそこで聞きます。
あなたたちは、だめにすることがいいことだったのでしょう。
あなたたちは日々だめになるため、だめにするため努力してきたのでしょう。
その価値観でいけば、あなたの国、あなたの島が1番だめということになりますよ。
だめと言うのはあなたたちの誉め言葉なのでしょう。
絶対正しいと確信を持っていることが正しかった例は余りありません。
1999/02/02

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